オーナーインタビュー #06

OWNER INTERVIEW #06

株式会社エム・ビー・アイ
代表取締役 井上清さん、取締役 井上淳さん、
執行役員・財務部長 菅井英里子さん、ライフ
サポート事業部 渡辺麻奈実さん

 20年超で取引先の心を動かした4席
社員9割が応募、オーナー特典まで楽しみ尽くす活用法

株式会社グリフィン 代表取締役 上妻英一さん

電気が通い、通信がつながり、空調が効いている。オフィスやデータセンターが動き続けるための設備を、株式会社エム・ビー・アイは設計から運用まで一貫して手がけている。通信インフラではボイスネットワークも担いながら、社会の当たり前を足元から支えてきた。その"つながり"を支えてきた会社にとって、シーズンシートのチケットも大切な架け橋になっている。

同社は2003年から、東京ドームで巨人戦のシーズンシートを持ち続けている。当初は2席を保有し、半分の試合を社員向けの抽選に充てたところ好評で、現在は4席に増席した。社内の人気は今も高い。井上清代表取締役によると応募率は「9割じゃないですかね。チケットが余っていないかと声をかけると、まずゼロなんです」と顔をほころばせる。

野球が日常の会話となっている。坂本勇人選手が打った夜や勝利が近づくと試合中からメールが飛び交い、翌朝の社内で話題の花が咲く。入社前は野球観戦になじみのなかった社員も、現在では家族や友人、さらに社内の仲間とともに球場を訪れるなど、観戦を楽しむ機会が広がっている。生粋の長嶋茂雄さんのファンでもある井上代表には、社員の熱がうれしい誤算でもあった。「ここまで熱狂するとは思わなかった。今では私以上ですよ」

同社の特徴は、オーナー特典を使い切っているところにもある。菅井英里子執行役員・財務部長は現役選手の交流会に参加した。「どの選手が来るのかな、とドキドキしましたし、普段はなかなか伺えないお話も興味深かったです」。試合後にグラウンドへ降りるアフターゲームオープンフィールドにも足を運び、サードベースの前で写真を撮った。「この場所で坂本選手がプレーしていると思うと、一気に緊張感がこみ上げました」。渡辺麻奈実さんも同じ場所に立った。「この場所にいつも選手が立っているのだなと思い、同じ場所に立つことができ感動しました」。席から見る景色も、テレビとはまるで違う。

 上妻英一さん

井上淳取締役は取引先を招くことが多い。相手が阪神ファンなら阪神戦、と対戦カードを合わせる。全体を見渡せるバックネット裏は巨人ファンではない相手に、一塁側寄りは野球好きに、と席も選べる。試合前の練習見学の参加券も好評だ。誘いを重ねるうちに、印象に残るやりとりがいくつも生まれた。試合の感想以上に、ふとした言葉が心に残る。ある日、招いた方が席に着いた瞬間、「20年ぶりにドームに来られました。ありがとうございました」。その喜ぶ顔が忘れられないという。「これまでにないような関係に気付き始めています」。

4席に増えたからこそ広がる使い方もある。家族4人で観戦に出かける社員、自分は行けなくても両親や子どものために手を挙げる社員、友人に声をかけて連れて行く社員。福利厚生が"自分だけの楽しみ"に閉じず、社員の周りの人にまで広がっている。
 シーズンシートをひと言で表すと——。渡辺さんは「仕事終わりの楽しみ」。菅井さんは「人生の楽しみのひとつ」。井上淳取締役は「人とのつながりをつくる、圧倒的に有効な手段」。そして井上代表の答えは明快だ。「ステータスです。持っているのと持っていないのとでは、違う。会社が続く限り、持てるうちは持ち続けたい」。社員に配れる。取引先をいつでも招ける。日々を支えるものほど、途切れたときに大きさが分かる。人と人の日常を支えてきた会社にとって、この4席もまた、確かな架け橋になっている。